神戸大学 法と政治のページ
 
◆教育部会の紹介◆
  現代社会において、あらゆる事柄は、法や政治の働きによって形作られていると言っても過言ではなく、それらを度外視して生活することはできません。そこで「法と政治」部会では、複雑な現代社会で生活する皆さんが、よりよき社会生活をおくるために身につけてほしい法学や政治学の講義をバランスよく揃えていますので、もっとも関心がある科目を履修してほしいと考えています。
 もしもみなさんが、人権保障、環境問題の改善、市民社会の活性化、武力紛争の抑止や平和の確立などを通じて、積極的に社会をよくする考えに共感しているなら、刑法や民法、憲法の基本原理や運用、立法過程や改革の動向について考えてみることが、お薦めです。また、一人一人が自分の生活を防衛し、よりよい生活を送るためには、民法を中心とした法の仕組みを知る必要がありますが、他方、私たちはなぜ国家の命令(たとえば税金の支払い)に対して、これを正当なものと認めて従うのでしょうか。こうした問題をみなさんと一緒に考えていくことができます。
  また、将来、国際社会で羽ばたきたいと考えているみなさんには、国際法や国際政治の分析視角にぜひ触れておいて頂きたいと思います。国際法の発展とその原則が基本となりますが、日本を含め、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカといった国や地域で、各国政府、国際組織、NGOが、どのように行動しているのかを比較し、その相違点や共通点を理解しながら、グローバルな場で思考し、行動するために欠かせない柔軟な視点を身につけることが授業の目的となります。また近年は、アジア・アフリカの多くの国々で民主化が進展し、経済成長率が先進国を上回る現象が定着しつつありますが、グローバル社会の新しいダイナミズムについても、感じ取ってほしいところです。
  2009年5月から裁判員制度が始まり、誰もがある日突然、裁判員に選出されて法廷に臨むことになる可能性が生まれていますそういう立場になっても慌てないように、裁判員制度、および刑法や刑事訴訟法についての基本的な知識を得ることも大切なこととなっています。裁判員制度をはじめとする司法制度やその改革動向をめぐる議論から、法と秩序に対する人々の意識を探ったり、個人と社会と国家の関係を考えたりすることも大切です。
  これからの日本や世界を担うみなさんには、道義や規範、諸問題の政治的背景を洞察する力を獲得して、自信ある意志決定のできる人間になってほしいと思います。また、国内外のニュースにぜひ関心を高めてほしいと願っています。そのためにも、部会の教員一同、新聞を毎日、読むことをお薦めします。  
 
◆科目一覧と概要◆
授 業 科 目
授 業 内 容
 法の世界 法とは何なのか、法制度の基本原則、裁判制度など、法の基礎にある考え方を理解させる。網羅的でなく個別の法分野に焦点を当てて法の世界を理解する手がかりとさせることもある。
 社会生活
  と法
現代社会において法が果たしている役割を理解させる。主に私法(民法、民事手続法、商法、社会法、知的財産法等)を中心とした様々な法を素材とする。
 国家と法 現代国家における国家・公権力の発動と法規範について、政治学的見地、あるいは公法学的見地から考察する。政治過程や政治体制、法に係わる政治過程等を検討する場合と、各種の公法(憲法、行政法、地方自治法、税法、刑法、刑事手続法、国際法等)の分析等にその素材を求める場合がある。
 政治の世界 政治とは何なのかを理解させる。網羅的でなく個別の政治分野に焦点を当てて政治の世界を理解する手がかりとさせることもある。
 現代社会
  と政治
現代社会における政治のあり方、あるいは政治や政治学が果たしている役割を、国際政治、日本政治、比較政治のいずれかの分野の中心から例示的に理解させる。
 
◆リンク◆
【神戸大学】