神戸大学 農学のページ
 
◆教育部会の紹介◆
 人は食物を摂ることで生命を維持しています。その食物は生命維持だけではなく、人の性格や知能にも影響し、健康状態も大きく左右します。人の病気には食物が直接あるいは間接的に影響しています。そして、この人にとって必須の食物は、それを食べている人と同じく、すべて生命体です。つまり食料生産は生命を理解することから始めなければなりません。農学は食物の生産に関わる学問ですが、生命を理解して持続する生産を目指し、さらに管理、流通を担当する学問です。また、農学にたずさわる者はすべて、人の生命と健康を護っているという、強い義務感と責任感を持っています。そこで、農学教育部会の講義では、下記の分野の教員が「生物資源と農業」と「食と健康」の講義の中で生命科学を論述しつつ、作物生産と動物生産から、環境保全、経済学、食の倫理まで広く理解していただくことを目的としています。
 農学が担う学問分野は大きく分けて6つです。環境を保全しながら、栄養価の高い作物や栽培が容易な作物を育種し,それらを効率よく生産するための応用植物学。自然界の動物との共存を図りながら動物生産に努め、その育種、衛生管理などを担い、さらに動物で生命科学を理解しようとする応用動物学。作物や動物の生産環境の保持保全のために水利、土壌、ダムや道路建設、生産機械やロボット開発、生産物の品質管理システムなどを担う生産環境工学。生産物の生産計画、流通、販売などを設計する食料環境経済学。また、応用生命化学は植物と動物だけではなく微生物も含めてすべての生命を遺伝子、タンパク質などの分子レベルでの理解を目指して、生命同士のクロストークを研究しています。農環境生物学は、植物、昆虫などすべての生命の自然界での共存を理解することで持続できる食料生産を研究しています。
 
◆科目一覧と概要◆
授 業 科 目
授 業 内 容
 生物資源と農業 食料及び緑化資源生物の持続的生産を担う農産業は人の生命と生活に必須である。世界の人口60億人余の日々の食糧資源を安定的に供給するため、限られた農耕地において最大の生産を挙げるための努力が払われている。本講では、食料となる動植物資源と花卉および緑化植物資源、それらの育種改良と病害虫防除、また効率的生産を支える基盤工学と土水管理、ならびにグローバルな食料・環境経済問題などについて概説する。
 食と健康 資源生物は、食料としてヒトの健康を維持するエネルギーと栄養素の源であり、生体に有用な薬や機能性物質などの供給源でもある。
また、生物素材は各種の加工食品となり、微生物を利用して酒や味噌など、発酵食品となる。セーフフードとしての安全な食材供給が至上命令であり、圃場からテーブルまでの生産過程の安全性管理が重要である。本講では、食資源と栄養、発酵及び機能性食品、食の安全性、有用資源物質の探索と利用などについて概説する。
 
◆リンク◆
【神戸大学】