平成17年度後期 全学共通授業科目 学生による授業評価
実施要領
(1)実施時期
平成18年1月16日(月)〜1月27日(金)
(2)実施率・有効回答率
平成17年度後期の開講科目数は昼間主コース588科目、夜間主コース22科目の計 610科目であった。そのうち学生による授業評価を実施し、分析したものは、それぞれ 519科目(88.3%)、19科目(86.4%)の計538科目(88.2%)である。平成16年度後期(90.5%)と比べると〜。
昼間主コース、夜間主コースの履修登録学生数はそれぞれ38,204名、877名の計39,081 名であり、回答した学生はそれぞれ22,147名(58%)、546名(62.3%)の計22,693名(58.1%)であった。
質問項目は、オプション項目を除き平成16年度と同じものを使用した。共通な選択式11項目と自由記述項目のほかに1〜5問のオプションを設定した。ここでは全科目共通の11項目の分析結果を報告する。
(3)Web方式による試行
今学期は平成17年度前期と同様、昼間主の教養原論の一部の科目と英語の一部の科目についてWeb方式によりアンケートを実施した。アンケート期間内の授業中に説明を行い、可能な学生については授業中に携帯電話により回答を入力してもらった。
教養原論、英語の回答率はそれぞれ46.9%(1485名/3130名)、73.6%(422名/571名)であり、教養原論については前期の平均(33.4%)を1割以上上回った。
分析結果
コース別、授業形態別、区分別、教科集団別に算出した項目の平均値を別紙1にまとめる。なお、教室施設のみが3段階(1〜3)、それ以外はすべて5段階(1〜5)であり、点数が高いほどよい評価となる。個々の授業の平均値をもとに授業科目ごとの平均を算出したものを別紙1にまとめる。
(1) 全体
昼間主コース、夜間主コースの項目ごとの全体平均をグラフに示す。出席と授業進度を除いて5段階評価の項目については項目間の違いはあまりない。授業理解がわずかに低い。授業進度は3(「ちょうどよい」)より4(「やや速い」)に近い。教室施設はほぼ3(「現状でよい」)である。昼間主と夜間主の違いはほとんどない。
(2) 区分
昼間主コースについて区分ごとの項目平均を下の図に示す。教室施設、教科書、授業進度以外の項目は健康スポーツ科学が他より高い値を示している。出席、総合判断、授業理解、接し方、成績基準は外国語が健康スポーツ科学の次によい。総合判断、授業理解、私語注意などで情報科学が他より低い値を示している。
(3)教科集団別
出席率、教室施設、授業進度以外の項目について各教科集団の担当科目群の平均を比較してみると、平均4.1以上と評価が高いものは、次のとおり。
(昼間主)
熱意:健康スポーツ科学実習4.57、中国語4.24、仏語4.23、人権4.22、生物学講義4.21、歴史と社会4.17、地学実験4.16、生物学実験4.13、独語4.08、ロシア語4.08、専門基礎(人文)4.07
接し方:健康スポーツ科学実習4.50、生物学実験4.40、仏語4.28、中国語4.28、ロシア語4.20、生物学講義4.11、化学実験4.09、独語4.08、数理の世界4.05、地学実験4.00
成績評価:数理の世界4.09、生物学講義4.03
話し方:健康スポーツ科学実習4.47、ロシア語4.19、生物学講義4.06、仏語4.05
私語注意:歴史と社会4.04、健康スポーツ科学実習4.01
授業理解:健康スポーツ科学実習4.09
総合判断:健康スポーツ科学実習4.31、生物学実験4.13、生物学講義4.06
(夜間主)
熱意:健康スポーツ実習4.74、自然の構造4.49、独語4.27、仏語4.22、専門基礎4.03
接し方:健康スポーツ実習4.70、仏語4.53、自然の構造4.47、独語4.33、中国語4.12
成績評価:自然の構造4.24、英語4.23、仏語4.22、健康スポーツ実習4.05
話し方:健康スポーツ科学実習4.70、仏語4.61、自然の構造4.31、独語4.03、英語4.02
教科書:仏語4.36、独語4.00
私語注意:健康スポーツ科学実習4.26、仏語4.11、英語4.08、独語4.01
授業理解:健康スポーツ科学実習4.30
総合判断:仏語4.27、健康スポーツ科学実習4.26
これに対して、平均3未満と評価が比較的低いものは、
(昼間主)
私語注意:総合教養科目2.95
授業理解:化学講義2.86、物理学講義2.90
今後の課題
下表に平成17年度後期の項目平均から平成16年度後期の項目平均を引いた値を示す。この表が示すように、区分によってはかなりな変動がみられている。また、同一区分についても昼間主と夜間主では変動の値も方向も異なる。
昼間主では教養原論と健康スポーツ科学は平均値が0.1以上上がった項目がいくつもある。これに対し、夜間主ではどの区分も平均値が0.1以上下がった項目がいくつも見られる。夜間主の授業の学生評価の低下が今後も続くようなら何らかの対策が必要である。
表 平成17年度後期と平成16年度後期との項目平均の差
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コース |
区分1 |
出席 |
熱意 |
接し方 |
成績評価 |
話し方 |
教科書 |
私語注意 |
教室施設 |
授業進度 |
授業理解 |
総合判断 |
昼間主 |
教養原論 |
-0.1 |
0.0 |
0.0 |
0.2 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.0 |
0.1 |
0.1 |
|
外国語 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
|
情報 |
-0.1 |
0.1 |
0.2 |
0.1 |
0.2 |
0.1 |
-0.3 |
0.0 |
0.0 |
-0.2 |
0.0 |
|
健スポ |
0.0 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.2 |
0.3 |
0.0 |
0.1 |
0.0 |
0.1 |
0.0 |
|
専門基礎 |
0.0 |
0.0 |
-0.1 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.1 |
0.0 |
0.0 |
-0.1 |
|
その他 |
-0.2 |
-0.1 |
0.0 |
-0.2 |
-0.2 |
-0.1 |
-0.2 |
0.1 |
0.0 |
-0.1 |
-0.1 |
夜間主 |
教養原論 |
0.1 |
-0.1 |
-0.3 |
0.0 |
-0.1 |
-0.1 |
0.0 |
-0.1 |
0.1 |
-0.1 |
-0.3 |
|
外国語 |
0.2 |
-0.1 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
-0.1 |
-0.1 |
-0.1 |
-0.1 |
0.1 |
-0.1 |
|
健スポ |
-0.1 |
-0.1 |
-0.1 |
-0.2 |
-0.2 |
-0.6 |
-0.4 |
-0.5 |
-0.2 |
0.0 |
-0.3 |
|
専門基礎 |
-0.1 |
0.0 |
-0.2 |
0.2 |
0.0 |
-0.1 |
-0.2 |
-0.1 |
-0.4 |
0.3 |
0.2 |
平成17年度後期 全学共通授業科目 担当教員による授業評価
実施概要
(1) 実施時期
平成18年1月16日(月)〜2月22日(水)。なお、教員アンケートの提出は後期分の成績報告書提出期間とした。
(2) 実施方法
担当教員が期間中にアンケート票を共通教育課教務係より受け取り、記入後提出した。
(3) 実施対象
大学教育研究センターが開講する全ての全学共通授業科目。昼間主コースの588 科目と夜間主コースの22科目の計610科目。
(4) 提出数
期限内に提出されたアンケート票は、昼間主コース509科目(86.6%)、夜間主コース19科目(86.4%)の計528科目(86.6%;昨年度後期84.6%)であった。
(5) 質問項目
授業評価については以下の選択式8項目と自由回答5項目の13項目とした。
分析結果
昼間主コース、夜間主コースのそれぞれについて、また、科目区分や教科集団ごとに平均値を求めて表にしたものを別紙にまとめる。なお、「教育規模」、「出席状況」、「受講態度」が5段階、「教育目標」、「授業計画」、「授業進度」、「達成度」、「休講回数」が4段階である。「授業計画」の選択肢は5つあるが、5番目の「今年度初めて担当した」の回答は平均値を計算する際に除外した。「休講回数」「教室規模」を除き5段階、4段階の評定尺度は「1」が評価が悪く、値が高いほど評価が良いことを意味する。休講回数は「1」が「ない」、「2」が1回、「3」が2回、「4」が3回以上である。「教室規模」は「1」が「多すぎる」、「2」が「やや多い」、3が「ちょうどよい」、4が「やや少ない」、5が「少なすぎる」である。
図1は昼間主、夜間主の平均値を並べて示したものである。平均を基に昼間主と夜間主を比較する。担当教員は、昼間主は夜間主と比べて教育目標の熟知度、授業計画への学生授業評価の活用、学生の出席状況がよい一方、学生の受講態度は悪いと評価している。これらの傾向は昨年後期とは異なる。図2は区分2別に平均を並べて示したものである。健康スポーツ科学が他の区分より達成度と学生の受講態度がよく、健康スポーツ科学と外国語が学生の出席状況がよい。外国語、健康スポーツ科学、その他必要と認める科目は授業計画への学生授業評価の活用が他よりより。
結果を概観すると、他の項目と比べて学生授業評価の授業計画への活用の項目平均2点台の科目が比較的多いこと、また、夜間主、特に、健康スポーツ科学だけがシラバス通り、達成度が平均2点台であるのが気になる。
図1 コース別全体平均
図2 区分2別平均