全学授業科目について

 

大学院総合人間科学研究科博士課程前期課程1年 Y.N.

 

 僕は受験する学部・学科を選ぶとき生物学に興味があり、その結果、理学部生物学科に入ると自分の興味のある授業ばかりなんだろうと思って楽しみにしていた。しかし、実際に入学してみると、語学だけでなく教養原論と称して社会科学・人文科学系の授業も受けなければならなかった。はっきりいって興味のない授業を、授業内容をほとんど反映していないシラバスを見て選ぶというのは難しいことだ。

 教養原論は僕にとってつまらいものだったが、すべてがそうだったわけではない。「心と行動」という心理学系の授業は僕の進路を大きく変えることになった。この授業を通して心理学に興味をもった僕は、心理学系の研究のできる研究科に進学することを決めた。

 今になって思うと、今の自分はいやいやながらに出た「心と行動」から始まっている。いろいろな人がいると思うが、学部や学科に入ることによって自分の興味を限定してしまっている人がいると思う。生物学科に入ったから、自分は生物だけにしか興味がないと思い込んでしまっていないだろうか?元来、人は好奇心旺盛な生物のはずだ。教養原論は、新しい興味を開拓する、視野を広げるという意味でムダになるものではないと、結果的に、思っている。あ!なるほど、「教養」原論なわけだ・・・