専門課程から教養原論をふりかえる

発達科学部人間発達科学科・田中孝昭

私は発達科学部人間発達科学科の中でも心理学を専攻しているので,学科共通科目や専門科目では教育学や心理学といった領域の授業を受講することが多い。しかし,教養原論では,「社会学」や「生物学」,「物理学」といった自分の専門外の授業も受講することができ,興味深く取り組むことができたと思います。

それは,授業をしてくださった多くの先生方が,私のような専門外の学生のために様々な工夫をされていたからだ,ということは勿論,何より,自分の専門分野ばかりを勉強するのではなく,様々な分野の学問に触れることに私自身が新鮮さを感じていたからだと思います。例えば,今でも記憶に残っているのですが,「素粒子と宇宙」や「生命の科学」といった授業において,担当されていた先生が文系の学生にも分かるように,授業内容を噛み砕いたものにして下さいました。

以上のことを振り返って,私が教養原論を受講して一番良かったと思えることは,専攻外の学問領域を学ぶことを通して,広い視野を持つ大切さを自分の実感として経験できたことです。ビジネスの世界では幾つかの心理学の分野が大いに役立っているし,経済学でも数学が用いられることが多い,理系の学生や先生が起業するケースも多いですが,その際には経営学的な知識が必要だろう,といった学問間のつながりのようなものが,今では少しは理解できるようになったと思います。そういったことに限らず,日常生活や仕事においても,物事を一つの視点から見るだけでなく,多面的な見方をすることは,必要なことであり,重要なことです。そういった必要性・重要性を痛感できたということが,教養原論を学んで得た非常に大きなことだと私は思います。