平成17年度前期 全学共通授業科目 学生による授業評価

 

実施要領

(1)実施時期 

 平成17年7月1日(金)〜7月14日(木)

(2)実施率・有効回答率

 平成17年度前期の開講科目数は昼間主コース642科目、夜間主コース25科目の計667科目であった。そのうち学生による授業評価を実施し、分析したものは、それぞれ582科目(90.7%)、23科目(92.0%)の計605科目(90.7%)である。平成16年度前期(92.3%)より1.6%下がったが、平成15年度前期以降9割台を保っている。

 昼間主コース、夜間主コースの履修登録学生数はそれぞれ46,115名、1,055名の計 47,170名であり、回答した学生はそれぞれ29,583名(64.2%)、756名(71.7%)の計30,339名(64.3%)であり、前期だけをみると平成14年度以来6割台を保っている。

 質問項目は、オプション項目を除き平成15年度と同じものを使用した。共通な選択式11項目と自由記述項目のほかに1〜5問のオプションを設定した。ここでは全科目共通の11項目の分析結果を報告する。

(3)Web方式による試行

 今学期は平成16年度後期に引き続き、すべての情報基礎の授業(昼間主、夜間主合わせて27コマ)と昼間主の教養原論の一部の科目(58コマ中36コマ、62.1%)についてWeb方式によりアンケートを実施した。情報基礎では授業中に教室内の端末から学生に回答を入力させた。教養原論の一部の科目については、アンケート期間内の授業中に説明を行い、可能な学生については授業中に携帯電話により回答を入力してもらった。

情報基礎、教養原論の回答率はそれぞれ87.1%(2357名/2703名)、31.7%(のべ2410名/7680名)であった。なお、昨年度と同じ教養原論の授業(担当者、科目名が同一)の21コマの回答率の平均は33.4%であり、同一授業の昨年度前期の回答率平均の56.6%を2割以上下回っていた。

 

 

分析結果

 コース別、授業形態別、区分別、教科集団別に算出した項目の平均値を別紙1にまとめる。なお、教室施設のみが3段階(1〜3)、それ以外はすべて5段階(1〜5)であり、点数が高いほどよい評価となる。個々の授業の平均値をもとに授業科目ごとの平均を算出したものを別紙1にまとめる。

(1)   全体

昼間主・夜間主ともに教室施設の項目(3段階評価)を除き、平均が3を下回っている項目はひとつもない。項目別に見ると、出席がきわめてよく、教員の熱意、学生への接し方が次によい。

授業進度は3より少し高い値である。3が「ちょうどよい」で5が「早すぎる」であり、問題はない。教室施設は3が「現状でよい」であるので、大方が「現状でよい」と評価していることがわかる。こうした傾向は昼間主・夜間主の差異はない。昼間主と夜間主とを比較すると出席については昼間主の方がよく、授業進度では両者の差はなく、それ以外の項目は夜間主の方がよい。こうした傾向は昨年と同じである。

 

 

(2)   区分

 右に昼間主コースの区分別の平均値を示す。平成16年度前期と同様、教員の熱意、接し方、話し方、私語注意、授業理解、総合判断の6項目で健康・スポーツ科学が他の区分と比べて最も高く評価されており、ついで外国語と情報となっている。情報は出席と教科書について他の区分より高く評価されている。一方、教員の熱意、話し方、授業理解、総合判断は専門基礎が比較的悪く、出席、接し方、教科書は教養原論が比較的悪い。教室施設の評価は2.5以上であるとはいえ、健康・スポーツ科学は他より悪い。

 

(3)教科集団別

 出席率と教室施設以外の項目について各教科集団の担当科目群の平均を比較してみると、平均4.0以上と評価が高いものは、次のとおり。昨年度前期と比較して、昼間主では新たに外国語第Tが2項目で平均が4.0となった。夜間主は平均4.0以上になった項目をもつ担当科目群が一段と増えている。とくに、専門基礎の上昇が目立つ。

 

(昼間主)

 教員熱意:健康スポーツ科学(4.49)、外国語第U(4.19)、その他(人権)(4.07

 接し方:健康スポーツ科学(4.39)、外国語第U(4.21

 話し方:健康スポーツ科学(4.42

 総合判断:健康スポーツ科学(4.24)、外国語第U(4.02

 

(夜間主)

 教員熱意:健康スポーツ科学(4.46)、専門基礎(4.42)、外国語第U(4.26)、教養原論(人文)(4.09)、外国語第T(4.03

 接し方:専門基礎(4.46)、外国語第U(4.37)、健康スポーツ科学(4.08)、教養原論(人文)(4.07)、教養原論(自然)(4.07

 成績評価:外国語第T(4.31)、教養原論(人文)(4.20)、外国語第U(4.19)、専門基礎(4.17)、

 話し方:専門基礎(4.35)、健康スポーツ科学(4.20)、外国語第U(4.14)、外国語第T(4.09)、教養原論(人文)(4.03

 教科書:専門基礎(4.17

 私語注意:外国語第U(4.20)、外国語第T(4.18

 授業理解:健康スポーツ科学(4.13)、専門基礎(4.04

 総合判断:健康スポーツ科学(4.35)、専門基礎(4.33)、外国語第U(4.02

 

これに対して、平均3未満と評価が比較的低いものは、昼間主の1つの担当科目群の1つの項目だけとなった。

 

(昼間主)

 授業理解:専門基礎(その他)(2.85

 

 なお、教室施設(3段階)では専門基礎(その他)(1.94)、生物学実験(1.97)が平均2点未満である。

 

今後の課題

 今後の課題については、これまでの授業評価の結果と比較しながら述べる。

 

(1)回答率

 学生授業評価が本格的に実施された平成12年度から前期だけについて回答率の推移をみてみると、平成13年度から平成16年度まで毎年上昇し、平成13年度に59.2%だったものが平成16年度に65.4%6%も増えていることがわかる。平成17年度は平成16年度より1%下がったが、これはWeb方式の導入の影響と思われる。Web方式、とくに携帯電話を用いた授業評価については、回答率を上げる工夫をすることが必要だろう。

 

 

(2)区分ごとの授業改善

 学生授業評価アンケートの大幅な改訂がなされた平成15年度から3年間の推移を、前期の結果だけについてみてみることにしよう。

 

 

 全体平均は平成15年度から毎年、全体的にわずかずつ平均値が上昇している。総合判断について昼間主の区分ごとにプロットしてみると、健康スポーツ科学が最も高い水準であり、しかも、毎年わずかながら上昇していること、情報科目が昨年より平均が上昇して外国語全体平均を上回って第2位になったこと、専門基礎がわずかであるが平均値の減少傾向がみられることがわかる。全体的には授業改善が進んでいるように思われるが、専門基礎についてはより詳細な分析が必要である。