2018年9月27日にジャック・ペルクマンス教授による「The Future of European Integration」講演を開催しました。
2018年9月27日(木)に神戸大学六甲台第一キャンパス第三学舎中会議室にて、神戸大学大学院経済
学研究科六甲フォーラムの共催のもとで欧州政策研究所・欧州大学院大学のジャック・ペルクマンス教
授による講演「The Future of European Integration」を開催しました。
ペルクマンス教授はまず現代のEUに焦点を当ててSWOT分析を行い、EUの強み (Strengths)、弱
点 (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)を具体的に取り上げられました。欧州で見ら
れるポピュリズム政党の躍進の背景には、移民、労働賃金の格差、金融不安定等に要因があると述べら
れました。講演者は、経済通貨同盟(EMU)の深化を示すデータを紹介し、単一市場の不可欠性および単
一通貨であるユーロのメリットを強調しました。その次に、講演者はBrexitに焦点を合わせ、Brexitの
展開および経済学の試算が示すBrexitによる英国経済とEU-27にとっての損失について説明されました。
最後に、ペルクマンス教授はEU-27の将来の5つのシナリオの概要を述べ、この数年間の揺らぎの状況
のため、EU全体がメディアによってより注目されたことに結びついたと示しました。講演者は、結果と
してEUがさらに評価されるようになり、投票者がEUのことを以前よりも知るようになったと結論付
けられました。加えて、EUとEUがもたらすメリットが改めて注目されてきたことと同時に経済通貨同
盟の強制的な改善も行われていることが極めて重要であると最後に述べられました。
同講演には12名が参加し、講演後には活発な質疑応答のセッションが行われました。参加者による
質問(イタリア・中欧諸国における反移民姿勢、EUにおける法人税)に対し、ペルクマンス教授は丁寧に
回答されました。この講演は、神戸大学の学生や研究者とEU研究の第一線で活躍されているペルクマ
ンス教授との意見交換が行われる貴重な機会となりました。