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2021年12月23日にジャンモネCoE主催の兵庫県立兵庫高等学校ミニシンポジウムを開催しました。

20211223_Hyogo_poster.pngポスター (PDF形式)

        

 2021年12月23日(木)、神戸大学ジャンモネCoE主催で、兵庫県立兵庫高等学校1年生320名を対象にミニシンポジウムを開催しました。ミニシンポジウムでは、 坂井一成国際文化学研究科教授が「EUにおける言語・文化の多様性」、吉井昌彦経済学研究科教授が「EUの環境・SDGs政策」についての講義を行いました。
 坂井教授の講義では、最初に、EUの公用語は24言語にわたり、各国の文化とアイデンティティを尊重し、公用語はすべて対等に扱われるという原則が紹介されました。 そして、言語の多様性を保全するとともに複数言語の修得(多言語主義)が追及されていることが述べられました。次に、公用語ではとらえられない少数言語が存在すること、 そしてEUとして地域・少数言語保護政策がとられていることが紹介されました。今後の課題として、英国のEU離脱後の英語、そしてキプロス問題を背景としたトルコ語の取扱いがあることが 述べられました。 以上から、日本の高校生にも英語以外の多言語を勉強することがグローバル人材として必要であること、そしてマイノリティへの配慮が不可欠であることが伝えられました。
 吉井教授の講義では、EUの仕組みを紹介し、環境がEU共通政策となっている根拠はEU条約第3条、EU機能条約第10編にあることを紹介した後、EUの環境政策の歩みが述べられました。 EUの環境政策の中心は、1960~70年代の排気ガスなどの公害対策から、2002年京都議定書を契機に気候変動問題へ移っていきました。EUは、2008年に20-20-20戦略、2010年にEurope2020を策定し、 気候変動がEUの核心的問題であることを明らかにするとともに、気候変動会議を先導してきました。フォン・デア・ライエン現政権の下では、欧州グリーンディールとデジタル化を最優先課題とし、 NextGenerationEU経済戦略がとられていること、その際、公正な移行によりグリーン化を進める際に不利益を被る地域・産業への配慮が行われていることが紹介されました。
 講義後、高校生代表の感謝の言葉が述べられた後、吉井ジャンモネCoEプログラム・コーディネータが、日本の様々な問題を考えるとき、EUを含む他国の取り組みを学び、 比較することが重要であるという挨拶で、ミニシンポジウムは終了しました。
 参加生徒によるアンケートでは、85%の生徒が講義内容は満足(やや満足、満足、大変満足)であった、82%の生徒が今後のSDGsについての勉強に今回の講演を活かしていきたい (やや思う、思う、とても思う)と評価しました。


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国立大学法人 神戸大学