養成する人材像

EUを主軸として国民国家としての枠組みを残しながらも経済統合と政治協力を進める欧州は,地域の枠組を越える影響力をもち,世界におけるプレゼンスを一段と高めつつあります。このようなEUを中心に発展してきた欧州について,日欧大学間の連携に基づき,法学・政治学・経済学・社会文化学など,関連する諸分野を基盤とした教育研究を行い,(1) EUを主とした欧州に関連した深い専門的知識,及び(2) EUを主とした欧州に関連した課題理解のためのより広い学際的知識を修得させるとともに,日欧が抱える共通の諸課題に能動的に取り組む意志力を養います。

英語や他のEU公用語で研究・発表することができる能力を涵養し,広く21世紀の日本と国際社会が抱える共通の諸課題について,問題解決能力を備え,専門的・学際的な議論や交渉を対等によどみなく行える人材を養成します。

本プログラムにより、涵養される能力は次の3点です。

1.専門性

EUを主とした欧州に関する専門的知識を得ることにより,欧州の動向及び欧州が日本を含む国際社会に及ぼす影響について,洞察し分析できる能力

2.学際性

EUを主とした欧州社会の構造及び課題を法学的,政治学的,経済学的,社会文化学的な観点から,多面的に分析・研究する能力

3.国際性

異文化への深い理解力と高度なコミュニケーション能力

このような人材が備える技能は次の3点です。

1.コミュニケーション力

英語及び他のEU公用語1言語(仏語又は独語等)の読解・会話・ライティングの能力をもって,EUを中心とする欧州各国の人々と交渉・協同できる技能

2.プレゼンテーション力

日欧に関する広い学際的視野をもって,説得力ある意見を正確に伝達できる技能

3.ディスカッション力

日欧に関する深い識見をもって,専門的議論や問題解決のための柔軟な交渉を対等によどみなく行える技能

ディプロマ・ポリシー

プログラム修了までに達成する学修目標

  • EUの動向及びEUが日本を含む国際社会に及ぼす影響について、洞察し分析することができる。
  • EU社会の構造及び課題を、法学的、政治学的、経済学的、社会文化学的な観点から、多面的に分析・研究することができる。
  • 異文化への深い理解力を持ち、高度なコミュニケーション能力を発揮することができる。
  • 英語及び他のEU公用語1言語(仏語または独語など)の読解・会話・ライティングの能力をもって、EU圏の人々と交渉・協同することができる。
  • 日・EUに関する広い学際的視野をもって、説得力ある意見を伝達することができる。
  • 日・EUに関する深い識見をもって、専門的議論や問題解決のための柔軟な交渉を対等に行うことができる。

国際文化学・法学・経済学研究科において養成される人材像

国際文化学研究科

(1)ヨーロッパ圏域全体が共有する価値についての社会・文化的洞察力を備えつつ、EUに特徴的な超国家・国家・地域という3レベルにまたがるガヴァナンスで生じる社会的対立・摩擦・紛争について、言語・エスニシティ・歴史などの多面的な視点から解読し、かつ、(2)これらの問題について、EUと非加盟国及び日本との関係を含めて、文化的な側面のみならず、法学・政治学、経済学等を踏まえた多角的アプローチを駆使して、学際的に分析・研究できる人材を養成する。

法学研究科

(1)EUならびにEU加盟国の法学・政治学的素養を備え、高度に専門化した社会の要請に対応し、かつ、(2)EU社会が抱える課題について多面的に分析・研究することが可能な人材を養成する。特に、EUの基礎となる基本条約やEU加盟国主要国内法、ならびに急速に進展しつつある国際的環境のなかで、EU及び、EU加盟国相互間、さらには非加盟国間、及び日本との関係について、経済学や社会文化学を踏まえて学際的に分析・研究できる人材を養成する。

経済学研究科

(1)EUならびにEU加盟国の経済、ユーロを含むEU統合に関わる問題、EUと日本・非加盟国との二国間・多国間関係などについて経済学的観点から取り組み、かつ、(2)法学・政治学や社会文化学を踏まえて多角的に分析・研究することができる人材を養成する。